無事転職が決まったお母さん。


ここでようやく冒頭の、会社で震度3の
衝撃展開になったわけだけど


お母さんは、社長と野口さんに
伝えたいことがあった。


IMG_4597


社長はドン引きするほど
極度乾燥スーパードライだったけど
忘れもしない出会った日、
帰国後に15年ぶりに働きに出た
マジでなにもないお母さんを
経歴不問な上、秒で即決してくれたのよ。


そんで
野口さんは鬼軍曹みたいに怖かったけど
どんなにお母さんの覚えが悪くても
絶対に見放さなかった。
何十年もこの業界で
真面目にひたむきに頑張ってる姿に
いつも引っ張ってもらってたわ。
同じ女性として尊敬してた。


お母さん二人にはずっと感謝しかなかった。


だから、退職が決まって二人に挨拶したときも
そう伝えたのよね。


二人にとってお母さんは
数十年の中のほんの1年半
一緒に働いただけの派遣社員かもしれないけど


お母さんにとっては
不安だらけだった社会復帰を助けてくれた
人生の恩人よ。一生忘れないわ。


って
そんな感じの事を
会議室で二人に話したのよね。


そしたら二人とも、
1ヶ月後に退職していくお母さんを
快く見送ってくれるって言ってくれたのよ。


そんで新しい仕事の事を聞かれたから


「こんな私に、
希望どおりの仕事がきまって
ほんと奇跡っす。
一生分の運を使い果たしました。デヘデヘ」


って言ったらね、
鬼軍曹野口さんが


「ううん、わかるよ。
お母さんなら、わかるよ。」
なんて、まるで生き別れた姉のような顔で
言ってくれちゃってさぁ、


泣いたもの。心で。


あーた、
そんな風に思ってくれてたなら
今までの鬼具合なんだったん?


そのギャップにも涙するっつーの。


社長もさぁ、
最後まで迷惑かけどおしのお母さんに


「いいんだよ、そんなことより
お母さんの人生のほうが大事だよ。」


とか言うの。


なに?なんなの?
二人共本当はお母さんいなくなるの
大歓迎だったってオチじゃないでしょうね?


はーどうぞどうぞ、
とっとと出ていってくださいよ(*^^*)
ってことなんじゃないでしょうね?!
※自己肯定感の低い人の思考回路はこんなもんです


いつから世の中
こんなにあったかくなったの?


別れが寂しくなるからやめて頂戴(´;ω;`)
胸がぎゅってなるじゃない。。。


と、言うわけで
すっきりと(?)退職も決まったところで
今度は仕事の引き継ぎ開始よ!


お母さんがやってたのは
事務の仕事だったんだけど
マニュアルもなければルールもない、
強いて言えば


野口さんがルール


っていう仕事だったのよね。
それを野口さんが1年半かけて
お母さんに一子相伝してくれたわけだけど


お母さんはずっと感じてた。


もし、お母さんが辞めたら
野口さんはまたこれを
新しい人にイチから教え直すの。。。?


そして新しい人は
野口さんの頭の中にだけあるルールを
毎日必死に書き留めながら
午前中鬼軍曹みたいな顔してる野口さんに
チビリながら質問するの?


そんなのお互い地獄すぎる!


ってことで、実は働き始めて半年経った頃から
野口さんの脳内を少しずつ文書化して
マニュアルをつくってたのよね。


そんで、昭和のまま時が止まった
事務作業をオート化すべく
エクセルで色々と作っといたのよ。
この時のためにね。


まあ、お母さんの能力なんて知れてるから
たいしたもんんは作れなかったんだけど
これまでの昭和を考えたら
令和までは行かないけど、
平成にはなんとか追いついたんじゃないかしら?!


そんなお母さん渾身の品々を
「野口さん、これ良かったら使ってください」
って、野口さんに渡したら


彼女ってばすごく喜んでくれて
お母さんもうれしくって
めでたしめでたし(*´Д`*)


で、終わると思ったら


喜んでくれただけじゃすまなかった。


「あんたこんなのできるんだったら、
これもやってあれもやって!」ってなって


その日から退職する日まで
もっと言うと、退職する瞬間の
10分前まで
ひたすら他の業務のマニュアル作り
文書作り、エクセルのシート作りを


山盛りてんこもりに頼まれたわ!


これまでの穏やかな日々が
嘘のように怒涛の仕事量が出現。


勤務時間中にやりきれない分は
家に帰ってから作ったりもしたわ。


もうすぐ新しい仕事を始めるというのに
そんなこと考える暇も与えられなかった。


最後の1ヶ月は
渋谷で買い物したり
気になってたお店でランチしよーっと(*^^*)


なんて思ってたのに
マジで毎日消耗しすぎて
結局最後まで
はなまるうどんと博多天神しか行けなかったわ。
IMG_4598


まあ最高だからいいんだけどっ


そんな感じで
最後の最後まで走り抜いた
むしろ最後に全力疾走して


大好きな渋谷の日々に最後の日が訪れた。


次回最終回、お母さんやらかします。