▽この話の前編はこちら!
近年中に多額の遺産を相続することになるかもしれない 前編

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老婆に別れを告げた後、
車に荷物を積み込んでから車を出して
駐車場から道路に出ると
さっきの老婆の後ろ姿がそこに。

 

(あれ?なんで歩いてるんだろ?車どっかに止めてきてるのかな?)

 

ちょっと気になったから
道路から運転席の窓を開けて
歩道を歩く老婆に話しかけたわ。

 

「お婆さん、車どこにとめたの?遠いの?」

 

そしたら老婆がこう答えたのよ。

 

「車、持ってないんだわ。歩いて帰る」

 

 

バカな。

 

本当に老婆が言うとおり家が隣町なら
ここから15キロくらい離れてるわ。

老人が両手に野菜やら果物やら卵やらを抱えて
15キロの距離を歩くですって?!

正気なの?やっぱりこの人絶対おかしいわ。

 

「冗談でしょ?家からここまではどうやって来たの?!」

 

「乗せてもらってきた。」

 

「誰に?!」

 

「。。。。。。」

 

なんで答えないの?!
誰がこの老婆を隣町から連れてきたのよ?!
まさかヒッチハイクしてきたんじゃないでしょうね?
そしてその連れてきた人はなんで老婆をここに置き去りにしたの?!

 

わからないことだらけでクソ恐ろしいわ。

でもこの冬の寒い中、
この老婆を置き去りにできないじゃない?
あなたならできますか?

 

ここで置いて行ったら、
老婆が家に生きて帰ったのか気になって眠れなくなる。

 

仕方ないからお母さん老婆に
家まで送るから車に乗るように言ったわ。

そしたら老婆、なんの戸惑いもなく
車の助手席に乗り込んでくるし。

 

あんたもしかして
最初っからそれが狙いだったんじゃないの?!

 

本当にわけがわからないし怪しすぎる。
知らない小汚い老婆を助手席に乗せてしまった事にすごい違和感を覚えたわ。
ゆるりと臭えし。

 
やばいよね 怪しすぎるね このババア

 

見れば老婆の所持品は
さっき買い物したものと小さいバッグだけ。

まさか銃を突き出してくるようなことはないだろうし、
妙な動きを見せたら彼女を一瞬で押さえつける自信はあるから大丈夫。

 

それでもちょっとドキドキしながら
老婆に指定された隣町の家の辺まで車を走らせたわ。

 
ちらっと横を見ると、
助手席で堂々とふんぞり返ってかなりリラックスモードの老婆。

ちょっと興味も会って家族構成とか聞いてみたわわ。
そしたら彼女はどうやら一人暮らしだということが判明。



なによ、ずいぶん寂しいじゃない。
今日くらいはお母さんが話し相手になってあげようかしら。


ちょっぴり同情的な気持ちになって
老婆と適当に会話をしてあげたわ。

 

そして20分ほど老婆の案内に沿って車を走らせると
そこはなにやら豪邸エリア。

日本では見たこともないくらい
大きい家が立ち並んでるわ。

 

「すごいわよね、アメリカの大きい家って。
まるでお城。
私の国にはこんな大きい家はないわよ〜。」

運転しながら老婆に話しかけるお母さん。

 

お城みたいに大きい家を横切ると、
老婆はその先で止めてくれと言うじゃない。

またまたー、その先って、
豪邸しかありませんけど?

 

このさらにワンブロック先に行ったら、
アメリカ人たちがゲットーとか言ってる
ボロいミニハウス街があるけどそこの間違いじゃなくて?

 

めちゃくちゃ失礼なことを考えながらも、
老婆が止めろと言う家の前で車を止めたわ。

そして老婆が一言。

 

「私の家、これ」

 

そう言って指を指したその先には
どこぞのセレブが立てた城ですか?
といった風格のある大豪邸が。

 

お母さん、動き止まったよね。
何があったのか全然理解できない。

老婆のこと、
ギリギリ屋根のある家で暮らしてるレベルの
寸止めホームレスかと思ってたのに。

 

それくらい小汚い格好してたのに家ここー!?

 

びっくりして固まるお母さんをよそに、
「サンキュー!」
と言って車を降り、さっそうと家に向かう老婆。

 

そのまま振り返ることもなく、
広い庭を横切って玄関を開け
本当に城の中に入っていったわ。

 

老婆が家に入っていくのを確認してから
静かに車を走らせたお母さん。

ふっとひらめいちゃったから。

 

あの老婆、孤独な身の上で
財産をめっちゃ持ってんじゃない?

遺産の後継者を探すために
あんなボロの服でうろつきつつ、
ふさわしい親切な人間を探してるんだわ!

抜き打ち捜索てきな。 

そういう話映画とかでありそうじゃない?

そう、そしてその後継者にふさわしいのはこの私。

いやまいったわ。そういう事だったのね。
電話番号とか聞かれなかったけど大丈夫かしら。
こっち振り向きもしなかったけど、
車のナンバーとかちゃんと控えた?

それともまさかただの変人バアさんだったの?!
そんなオチやめて。
連絡まってるから。

これだいぶ前の話だけど、
未だにあの老婆からの連絡はないわ。

でもそろそろ来ると思う。
そして将来あのお城みたいな豪邸は
お母さんに相続されちゃうんだと思う。
(´∀`*)ウフフフフフフフ




実は、知らない老婆を車で拾ったのって
これが人生3回目

1回目は20年ほど前日本で。

真夜中に車で住宅街を走ってたら
道の真ん中になんと老婆が倒れてるじゃない!

びっくりして車を降りて駆け寄ったら、
ババアがベロンベロンに酔っ払ってひっくり返ってた。

「ちょっと、お婆さん!
こんなとこで寝たらひかれて死ぬよ!」

って起こしたら

「いーのいーの、どうせもうすぐ死ぬし」

なんて中2みたいなこと言うわけ。

仕方ないからババアのバッグ漁ったら
中に住所が書いてある紙が入っててたわ。
さてはおぬし迷子の常連。

そしてババアを引きずって車に押し込めて、
紙に書いてあった住所まで行ってみたら
そこは近所のマンションだったのね。

そんでそのマンション、エレベーターないの。
で、ババアの家4階。ファック。

お母さんゲボ臭いババアをおんぶして
4階の部屋まで連れて行ったわ。
クソ重たいなんてもんじゃなかった。

そしてインターホンを押したら
中年のご夫婦が玄関に出てきて、

「ちょっとお婆ちゃん!なにしてるの?
まあ、本当に申し訳ありません!」

ってめっちゃ取り乱してたわ。
あれから20年くらい経ってるけど、
まだお礼してもらってないけどどうなってんの。

彼女、まだ生きてるといいけど。


そして2回目は去年の夏アメリカで。

道を歩いてたら、見知らぬ老婆に道を聞かれたのね。

それで教えてあげたんだけど、
目的地がどう考えても歩いていける距離じゃないわけ。

仕方ないから車まで戻って
老婆を目的地まで乗せてってあげたわ。

今書いてて思ったんだけど、
もしかしてあの時と同じ老婆なんじゃないの。。。?!




ねえ、これ一体なんなの?
なんで人生で3回も老婆を拾ってるの?

お母さん、猫が欲しくて
ずっと子猫を拾うのを夢見て40年。


一度も猫は訪れてくれないのに
老婆は既に3回来てる。

この調子だとあともう3回くらいは
様子のおかしい老婆を拾うハメになりそう。

その前に3婆の誰かから遺産相続があると思うけどっ(´∀`*)ウフフ

どなたか車で様子のおかしい老人を拾った経験のある人、いますか?


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